LEDビジョンを検討する際には、「ピクセルピッチ」「輝度」「解像度」「キャビネット」など、普段は聞き慣れない用語が多く出てきます。
これらの用語は、画面の見え方だけでなく、設置方法、映像の運用、必要な機器、メンテナンス方法を検討するうえでも重要です。
この記事では、LEDビジョンの基本用語を一覧で整理し、LEDビジョンの仕組み、主な種類、導入前に確認したいポイントを初めての方にも分かりやすく解説します。
LEDビジョンの基本用語一覧
LEDビジョンの導入や見積もりの際によく使われる用語を、簡単に整理しました。
| 用語 | 意味・役割 | 導入時に確認したいポイント |
|---|---|---|
| LED素子・ピクセル | 画面を構成する発光部分 | 画素数・表示の細かさ |
| ピクセルピッチ | LED素子同士の間隔 | 視認距離とのバランス |
| 視認距離 | 画面を見る位置までの距離 | ピッチ・文字サイズ |
| 輝度 | 画面の明るさ | 屋内外・昼夜 |
| 解像度 | 横と縦の画素数 | 素材サイズ・文字の細かさ |
| モジュール | LED素子を並べた表示部品 | 交換・保守方法 |
| キャビネット | モジュールをまとめる筐体 | サイズ・重量・施工方法 |
| コントローラー | 映像信号を処理する機器 | 入出力・画面構成 |
| メディアプレーヤー | 画像や動画を再生する機器 | 更新方法 |
| IP規格 | 防塵・防水性能の等級 | 屋外設置条件 |
| リフレッシュレート | 1秒間の画面更新回数 | カメラ撮影時の見え方 |
| 視野角 | 斜めから見られる範囲 | 視認方向 |
それぞれの用語については、この記事の後半で詳しく解説します。
LEDビジョンとは
LEDビジョンとは、LED素子が自ら発光し、映像、画像、文字などを表示するディスプレイです。
一般的な液晶ディスプレイは、バックライトの光を利用して映像を表示します。一方、LEDビジョンは画面を構成するLED素子そのものが発光します。
LEDモジュールやキャビネットを組み合わせて画面を構成するため、横長、縦長、大型画面など、設置場所に合わせてサイズを検討しやすい点が特徴です。
店舗外壁、道路沿い、商業施設、展示会、イベント会場など、大型の映像表示が必要な場所で使用されています。
電子看板やデジタルサイネージとの違いについては、「電子看板とは?デジタルサイネージとの違いと種類」で詳しく解説しています。
LEDビジョンの仕組み
LEDビジョンの画面は、小さなLED素子の集合でできています。
基本的には、赤・緑・青の3色のLEDを組み合わせて1つの画素を作り、それぞれの明るさを調整することで、さまざまな色や映像を表現します。
LEDビジョンは、主に次のような構成で動いています。
| 部品・機器 | 役割 |
|---|---|
| LED素子 | 実際に光る部分 |
| LEDモジュール | LED素子を並べた表示パーツ |
| キャビネット | 複数のLEDモジュールを取り付ける箱・フレーム |
| コントローラー | 映像信号をLEDビジョン用に処理する機器 |
| メディアプレーヤー・PC | 動画や画像を再生・送信する機器 |
| 電源 | LEDモジュールや制御機器に電力を供給する部分 |
映像データは、PCやメディアプレーヤーからコントローラーへ送られます。
コントローラーが映像信号を処理し、各LEDの発光を制御することで、画面全体に動画や画像が表示されます。

LEDビジョンは、単なる大きなモニターではなく、表示部、制御機器、電源、配線、コンテンツ再生機器を組み合わせて動く映像表示システムです。
LEDビジョンと液晶ディスプレイの違い
LEDビジョンと液晶ディスプレイは、どちらも映像を表示する機器ですが、表示方式や適した用途が異なります。
| 項目 | LEDビジョン | 液晶ディスプレイ |
|---|---|---|
| 表示方式 | LED素子が自ら発光 | バックライトの光を利用して表示 |
| 画面サイズ | モジュールを組み合わせて大型化しやすい | 製品ごとに画面サイズが決まっている |
| 屋外での見え方 | 高輝度タイプは屋外表示に対応しやすい | 直射日光下では見えにくい場合がある |
| 近距離での表示 | ピクセルピッチによって見え方が変わる | 細かい文字や画像を表示しやすい |
| 主な用途 | 屋外広告、店舗外壁、イベント、大型表示 | 店内表示、会議室、案内モニター |
LEDビジョンは、大型画面や屋外表示に適した場合が多く、液晶ディスプレイは、近い距離から細かい文字や映像を見る用途に適しています。

どちらが適しているかは、設置場所、視認距離、表示内容、必要な明るさによって異なります。
屋外で使用するLEDビジョンと液晶ディスプレイの違いについては、「屋外LEDビジョンとは?液晶サイネージとの違い」で詳しく解説しています。
LEDビジョンの種類
LEDビジョンには、設置場所や用途に応じて複数の種類があります。
| 種類 | 主な用途 | 導入時の確認ポイント |
|---|---|---|
| 屋外用LEDビジョン | 店舗外壁、道路沿い、屋外イベント | 輝度、防水・防塵性能、設置方法 |
| 屋内用LEDビジョン | 展示会、商業施設、企業イベント | ピクセルピッチ、視認距離、画質 |
| 透過型LEDビジョン | ガラス面、ショーウィンドウ | 透過率、外光、取付方法 |
| フレキシブルLEDビジョン | 曲面、柱まわり | 曲面への対応範囲、施工方法 |
| 床面LEDビジョン | 展示空間、イベント会場 | 耐荷重、防滑性、メンテナンス |
| 特殊形状LEDビジョン | 店舗演出、展示会 | 画面構成、映像素材、設置設計 |
屋外用LEDビジョン
屋外用LEDビジョンは、店舗外壁、道路沿い、ビル壁面、屋外イベント会場などで使用されます。
屋外では、雨、ホコリ、直射日光、温度変化などの影響を受けるため、必要な輝度、防水・防塵性能、取付方法を確認する必要があります。
昼間の見え方だけでなく、夜間に明るすぎないよう、時間帯に応じた輝度調整も重要です。
屋内用LEDビジョン
屋内用LEDビジョンは、展示会、商業施設、ショールーム、企業イベント、イベントホールなどで使用されます。
画面を見る距離が比較的近くなることが多いため、表示する文字や画像に合わせて、細かいピクセルピッチを検討する場合があります。
必要な輝度、設置スペース、搬入経路、メンテナンス方法も事前に確認します。
透過型LEDビジョン
透過型LEDビジョンは、ガラス面やショーウィンドウへの設置に使用されます。
映像を表示しながら、ガラスの向こう側の景色や店内の様子をある程度見せられる構造です。
実際の見え方は、透過率、外光、設置方向、表示内容によって変わるため、設置環境に合わせた確認が必要です。
フレキシブルタイプ、床面タイプ、特殊形状タイプについては、製品ごとの仕様と設置条件が大きく異なるため、使用目的と設置場所を確認したうえで個別に検討します。
LEDビジョンの基本用語を詳しく解説
LEDビジョンを検討するときによく出てくる基本用語を整理します。
LED素子・ピクセル
LED素子は、LEDビジョンの画面上で実際に発光する部品です。
赤・緑・青のLEDを組み合わせて色を表現し、画面上の一つひとつの画素を構成します。
画素数が多いほど細かい表示がしやすくなりますが、実際の見え方は、画面サイズや視認距離によっても変わります。
ピクセルピッチ
ピクセルピッチとは、隣り合うLED素子の中心から中心までの間隔です。
「P2.6」「P3.91」「P6」などの表記は、ピクセルピッチをミリメートル単位で表しています。
数字が小さいほどLED素子の間隔が狭く、近い距離でも細かい映像や文字を表示しやすくなります。

ただし、ピクセルピッチが細かいほど価格は上がりやすくなります。
そのため、必ずしも「細かいピッチほど良い」というわけではありません。
見る距離、画面サイズ、表示内容に合わせて、適切なピクセルピッチを選ぶことが重要です。
視認距離
視認距離とは、LEDビジョンを見る人から画面までの距離です。
一般的には、近い距離から見る場合ほど細かいピクセルピッチが必要になります。
ただし、適したピクセルピッチは、画面サイズ、文字の大きさ、表示内容、周辺の明るさによっても変わります。ピクセルピッチの数値だけで判断せず、実際の使用環境に合わせて確認することが重要です。
ピクセルピッチと視認距離の詳しい考え方については、「LEDビジョンのピッチとは?P4.4・P6の違いと視認距離の考え方」で解説しています。
輝度
輝度は、LEDビジョンの明るさを表す数値です。単位には「cd/㎡」または「nit」が使用されます。
屋外では、日中の太陽光や周辺の明るさを考慮した輝度が必要です。
一方、夜間に明るすぎる表示を続けると、まぶしさや周辺環境への影響につながる場合があります。
屋外LEDビジョンでは、昼間と夜間で輝度を切り替えられる運用方法も確認しておく必要があります。
屋外で必要な輝度の考え方については、「屋外LEDビジョンの明るさ目安|昼間・夜間の輝度と注意点」で詳しく解説しています。
解像度
解像度は、画面上に並ぶ縦横の画素数を表す数値です。
同じ画面サイズの場合、ピクセルピッチが細かいほど画素数が多くなり、細かい画像や文字を表示しやすくなります。
ただし、LEDビジョンでは、画面全体の解像度だけでなく、見る距離や表示する文字の大きさも重要です。
使用する映像素材は、実際の画面比率と解像度に合わせて準備します。
LEDモジュール
LEDモジュールは、複数のLED素子を基板上に配置した表示部品です。
複数のLEDモジュールを組み合わせることで、LEDビジョンの表示面を構成します。
不点灯や表示異常が発生した場合、製品や設置方法によっては、モジュール単位で交換できる場合があります。
導入時には、前面または背面のどちらから交換作業を行うのかも確認します。
キャビネット
キャビネットは、複数のLEDモジュール、電源、受信カードなどを取り付ける筐体です。
複数のキャビネットを縦横に組み合わせることで、大型のLEDビジョンを構成します。
キャビネットのサイズや重量は、取付フレーム、設置方法、搬入条件、メンテナンス方法にも関係します。
コントローラー
コントローラーは、パソコンや再生機器から送られた映像信号を処理し、LEDビジョンへ送信する機器です。
画面サイズや解像度、使用する入力端子、映像の切り替え方法によって、必要なコントローラーが異なります。
イベントで複数の映像を切り替える場合と、常設画面で決められた映像を繰り返し再生する場合でも、必要な構成が変わります。
メディアプレーヤー
メディアプレーヤーは、画像や動画などのコンテンツを再生し、LEDビジョンへ送信する機器です。
USBメモリーでデータを更新する方式、パソコンから送信する方式、ネットワークを利用して遠隔更新する方式などがあります。
導入時には、誰が、どの端末を使い、どのくらいの頻度で内容を更新するかを確認します。
IP規格
IP規格は、機器の防塵・防水性能を表す等級です。
「IP65」などの形式で表記され、前の数字が防塵性能、後ろの数字が防水性能を示します。
屋外設置では、LEDビジョン本体のIP等級だけでなく、電源、ケーブル、接続部、制御機器の設置方法も含めて確認する必要があります。
リフレッシュレート
リフレッシュレートは、画面を1秒間に何回書き換えるかを表す数値です。
肉眼では問題なく見えていても、カメラで撮影すると、画面にちらつきや線が映る場合があります。
イベント撮影、ライブ配信、SNS用動画、施工実績の撮影を予定している場合は、使用するカメラとの相性も確認します。
視野角
視野角は、画面を正面以外の方向から見た場合に、映像を確認できる範囲を表します。
道路沿い、交差点付近、店舗入口など、複数の方向から見られる場所では、正面からの見え方だけでなく、左右からの見え方も確認します。
アスペクト比
アスペクト比は、画面の横幅と高さの比率です。
一般的な映像では16:9が使用されることが多い一方、設置場所に合わせて横長や縦長の画面を構成する場合もあります。
画面の比率と映像素材の比率が合っていない場合、余白が出たり、映像の一部が切れたりすることがあります。画面構成を決める際には、表示する映像素材もあわせて確認します。
LEDビジョンを選ぶ際の5つの確認ポイント
LEDビジョンは、画面サイズや価格だけで判断するのではなく、設置場所、視認距離、表示内容、明るさ、運用方法をまとめて確認することが重要です。
1.何を表示するか
最初に、動画、画像、文字、商品案内、会社案内、イベント映像など、表示したい内容を整理します。
文字情報が多い場合は、文字サイズと視認距離を確認します。動画を中心に表示する場合は、画面比率や映像素材の解像度も重要です。
2.どの距離から見るか
店舗前を歩く人が見るのか、道路の反対側から見るのか、イベント会場の後方から見るのかによって、適した画面サイズとピクセルピッチが異なります。
最も近い位置と最も遠い位置の両方を確認して検討します。
3.屋内で使用するか、屋外で使用するか
屋外では、輝度、防水・防塵性能、設置方法、風や周辺環境への配慮が必要です。
屋内では、近距離での見やすさ、画質、設置スペース、搬入経路、メンテナンス方法を確認します。
4.昼間と夜間の明るさ
屋外LEDビジョンは、昼間には周辺の明るさに負けない表示が必要です。
一方、夜間は明るすぎるとまぶしく感じられる場合があるため、時間帯に応じた輝度設定を検討します。
5.更新方法とメンテナンス方法
表示内容を誰が、どの端末から、どのくらいの頻度で更新するかを確認します。
また、モジュールや電源の交換を前面から行うのか、背面から行うのかによって、設置後に必要な作業スペースも変わります。
屋外LEDビジョンを設置する前に確認したいこと
屋外にLEDビジョンを設置する場合は、製品の仕様だけでなく、取付場所の強度、電源容量、配線ルート、防水・防塵、夜間の輝度、周辺環境への影響を確認する必要があります。

また、設置場所によっては、自治体の屋外広告物条例、景観条例、表示方法に関するルールの確認が必要です。
屋外設置に必要な確認項目については、「屋外LEDビジョン設置前に確認すべき7つのポイント」で詳しく解説しています。
LEDビジョン導入前に整理しておくとよい情報
LEDビジョンのご相談やお見積もりの前に、次の情報を整理しておくと、必要な仕様や設置方法を検討しやすくなります。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 設置場所 | 屋外、屋内、ガラス面、壁面、支柱など |
| 希望サイズ | 横幅、高さ、設置可能なスペース |
| 見る距離 | 歩行者向け、車両向け、道路反対側から見るなど |
| 表示内容 | 動画、画像、文字、会社案内、広告など |
| 運用方法 | USB更新、PC更新、遠隔更新など |
| 電源 | 既存電源の有無、電源容量 |
| 施工条件 | 高所作業、壁面強度、配線ルートなど |
| メンテナンス | 前面メンテナンス、背面スペースの有無など |
事前にこれらを整理しておくことで、設置場所に合ったLEDビジョンの仕様を検討しやすくなります。
LEDビジョンのよくある質問
LEDビジョンのよくある質問
LEDビジョンとは何ですか?
LEDビジョンは、LED素子が自ら発光して映像、画像、文字を表示するディスプレイです。
複数のLEDモジュールやキャビネットを組み合わせて画面を構成するため、大型画面や設置場所に合わせたサイズを検討できます。
P2.6やP3.91、P6とは何ですか?
「P2.6」「P3.91」「P6」は、LED素子同士の間隔を表すピクセルピッチです。
P2.6は約2.6mm、P3.91は約3.91mm、P6は約6mmの間隔を表します。
数字が小さいほど近い距離でも細かく表示しやすくなりますが、視認距離、画面サイズ、表示内容に合わせて選ぶ必要があります。
屋内用と屋外用の違いは何ですか?
屋外用LEDビジョンは、屋外で必要となる輝度や防水・防塵性能を備えた製品です。
屋内用LEDビジョンは、比較的近い距離から見られることを想定し、細かいピクセルピッチの製品が使用される場合があります。
どのピクセルピッチを選べばよいですか?
適したピクセルピッチは、最も近い視認距離、画面サイズ、文字の大きさ、表示内容によって異なります。
数字が小さい製品を選べばよいというものではなく、使用環境と費用のバランスを確認することが重要です。
LEDビジョンの表示内容は変更できますか?
使用する再生機器や運用方法によって、画像や動画を変更できます。
USBメモリー、パソコン、ネットワークを利用した遠隔更新などがあるため、更新担当者や更新頻度に合わせて運用方法を検討します。
まとめ
まとめ
LEDビジョンを検討する際は、ピクセルピッチ、視認距離、輝度、解像度、IP規格などの基本用語を理解しておくことで、製品仕様や見積もり内容を比較しやすくなります。
ただし、適した仕様は、設置場所、画面サイズ、表示内容、見る距離、昼夜の明るさ、映像の更新方法によって異なります。
LED-exでは、屋内・屋外LEDビジョンの販売、レンタル、設置、配線、表示確認、運用方法についてご相談を承っています。
設置予定場所の写真、希望する画面サイズ、主な視認距離、表示したい内容などをご共有いただければ、使用環境に合わせた構成を確認します。
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