透過型LEDビジョンは、LEDで映像を表示しながら、表示面の向こう側を一定程度見通せるLEDディスプレイです。
「シースルーLEDビジョン」「透明LEDディスプレイ」などの名称でも呼ばれ、店舗の窓ガラスやショーウィンドウなど、映像を表示しながらガラス面の開放感や採光もできるだけ残したい場所で使用されています。
ただし、透過型LEDビジョンは製品によって構造、透過性、ピクセルピッチ、輝度、重量、取付方法などが異なります。
また、ガラス面であっても必ず透過型が適しているとは限りません。透過性が必要ない場合には、通常のLEDビジョンを窓ガラスの内側へ設置する方法もあります。
このページでは、透過型LEDビジョンの特徴や選び方、価格を左右する条件、ガラス面へ設置する際の確認ポイントを、LED-exの実際の施工事例を交えて紹介します。
LEDビジョン全般の仕組みや種類については、LEDビジョンとは?仕組み・種類・基本用語をわかりやすく解説をご覧ください。
透過型LEDビジョン(シースルーLED)とは
透過型LEDビジョンは、製品ごとの構造によって表示面の透過性を確保したLEDビジョンです。
一般的なLEDビジョンは表示面の背後を見通すことができませんが、透過型LEDビジョンでは、映像表示を行いながら反対側を一定程度見通すことができます。
そのため、
- 店舗の窓ガラス
- ショーウィンドウ
- 商業施設のガラス面
- ガラス張りの店舗・施設
などで使用されます。
市場では「透過型LEDビジョン」「シースルーLEDビジョン」「透明LEDディスプレイ」など複数の名称が使われていますが、製品によって構造や仕様は異なります。
透過性、ピクセルピッチ、輝度、重量、取付方法、メンテナンス方法などにも違いがあるため、名称だけで判断せず、実際に使用する製品の仕様と設置環境を確認することが重要です。
透過型LEDビジョンが向いているガラス面・使用シーン

透過型LEDビジョンは、特に「表示設備を設置したいが、窓を完全には塞ぎたくない」という場面で検討しやすい製品です。
店舗の窓ガラス
道路や歩道に面した店舗では、窓ガラスを広告や店舗案内の表示スペースとして活用できます。
透過型LEDであれば、映像表示を行いながら、店内から外への視線や採光を一定程度残すことができます。
ショーウィンドウ
商品展示を行うショーウィンドウでは、ガラス面を映像表示に活用しつつ、奥にある展示物や店舗空間も見せたい場合があります。
このような用途でも透過型LEDが候補になります。
ガラス張りの商業施設・店舗
大型のガラス面を完全に覆わず、案内、広告、映像表示などに利用したい場合にも検討できます。
一方で、室内から外を見る必要がない場合や、採光を残す必要がない場合には、通常のLEDビジョンが適することもあります。
「ガラス面だから透過型」と決めるのではなく、そのガラス面をどのように使いたいのかを先に整理することが重要です。
通常のLEDビジョンとの違い
透過型LEDビジョンと通常のLEDビジョンで大きく異なるのは、表示面の透過性です。
透過型LEDビジョン
- 表示面の向こう側を一定程度見通せる
- 採光や店内からの視線を残しやすい
- 店舗窓面やショーウィンドウに利用しやすい
- 製品によって透過性や構造が異なる
通常のLEDビジョン
- 表示面の背後は基本的に見通せない
- 透過性が不要な場所では候補になる
- ガラス面の内側から道路側へ映像を表示することもできる
- 設置スペースや使用目的によっては透過型を使用する必要がない
選定時に重要なのは、
「どちらが高性能か」ではなく、「そのガラス面で透過性が必要かどうか」です。
透過型LEDビジョンを選ぶときに確認したい5つの仕様
透過型LEDビジョンは製品によって仕様差があります。
ガラス面への導入を検討する際には、特に次の項目を確認します。
1.透過率
透過率は、表示面の向こう側をどの程度見通せるかを判断するための項目です。
店舗窓面では、透過率によって店内から外への見え方や採光への影響が変わります。
ただし、実際の見え方は透過率の数値だけでは決まりません。
製品構造、窓ガラス、設置位置、室内外の明るさなども関係するため、実際の使用環境とあわせて確認します。
2.ピクセルピッチ
ピクセルピッチは、隣り合うLED素子の中心間距離です。
近い距離から文字や画像を見せる場合と、道路の反対側など一定の距離から見る場合では、必要なピッチが異なります。
必要以上に細かいピッチを選ぶのではなく、主な視認距離や表示内容に合わせて選定します。
ピクセルピッチと視認距離については、LEDビジョンのピッチとは?視認距離別の選び方と目安を解説で詳しく紹介しています。
3.輝度
店舗の窓ガラス内側から屋外へ向けて表示する場合、昼間は外光の影響を受けます。
そのため、屋内だけで使用する表示設備とは必要な明るさが異なる場合があります。
一方、夜間は周囲が暗くなるため、昼間と同じ設定では明るく見えすぎることがあります。
最大輝度だけを見るのではなく、昼間と夜間でどのように輝度を管理できるかも確認します。
4.重量・サイズ
本体の重量や画面サイズは、固定方法や施工条件に関係します。
大型のガラス面へ設置する場合は、LEDパネル単体の重量だけではなく、画面全体の構成や支持・固定できる位置を確認する必要があります。
5.メンテナンス方法
LEDビジョンは、設置後にLEDモジュールや電源などの点検・交換が必要になる場合があります。
そのため、
- どの方向から保守作業を行うか
- 本体へアクセスできるか
- ガラス面周辺に作業スペースを確保できるか
といった条件も選定時に確認します。
ガラス面へ透過型LEDビジョンを設置する際の確認ポイント
製品仕様が適していても、現場条件によって設置方法は変わります。
特に店舗の窓ガラスやショーウィンドウでは、次の項目を確認します。
窓枠と表示位置

窓ガラスにはサッシや窓枠があるため、LEDビジョンの位置によっては表示面の一部が隠れることがあります。
特に2階以上の窓面では、道路側から画面を見上げるため、店内から見た状態と実際の視認状態が異なる場合があります。
設置位置は、実際に映像を見る道路側・歩道側から確認することが重要です。
支持・固定できる位置
LEDビジョン本体をどこで安全に支持・固定できるかを確認します。
窓台、床、天井、壁面、専用フレームなど、利用できる構造は現場によって異なります。
設置後の傾きや転倒にも配慮し、製品と設置環境に合わせて方法を検討します。
電源・配線
LEDビジョン本体だけでなく、電源線、信号線、再生・制御機器も必要です。
店舗内では配線が大きく露出すると内装へ影響するため、電源位置からLEDビジョンまでの配線経路も事前に確認します。
外光・ガラスへの映り込み
ガラス内側へ設置したLEDビジョンは、道路側からガラス越しに見ることになります。
外光、室内照明、ガラスへの反射によって見え方が変化するため、実際の視認方向から確認します。
透過型LEDビジョンの価格は何で決まる?
透過型LEDビジョンの価格は、単純に画面サイズだけでは決まりません。
使用する製品のピクセルピッチ、輝度、透過性、構造など、仕様や構成の違いによって本体価格は異なります。
さらに、実際の導入費用には次の条件も関係します。
表示サイズ
必要な表示面積が大きくなれば、使用するLEDパネルやキャビネットの数量も増えます。
ガラス面周辺の取付条件
固定位置、必要なフレーム、施工スペースなどによって施工内容が変わります。
電源・配線条件
既存電源を利用できるか、新たな電源工事や配線が必要かによっても費用が変わります。
メンテナンススペース
設置後の点検・交換作業を行える構成にする必要があります。
このため、「透過型LEDは○万円/㎡」という本体単価だけでは、実際の導入費用を判断できません。
LEDビジョン全般の本体価格、施工費、制御機器、電源・配線などの費用構成については、LEDビジョンの価格はどう決まる?本体・設置工事の費用内訳と見積もりの見方で詳しく解説しています。
東京都新宿区|飲食店2階窓面への透過型LEDビジョン施工事例

LED-exでは、東京都新宿区の飲食店2階窓面に透過型LEDビジョンを設置しました。
〖施工実績〗東京都新宿区の飲食店2階窓面に透過型LEDビジョンを設置|3.91×7.81mmピッチ・W4,000×H1,000
当該案件で使用した主な仕様は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 設置環境 | 店舗2階・窓ガラス内側 |
| 製品 | 透過型LEDビジョン |
| ピクセルピッチ | 横3.91mm×縦7.81mm |
| 表示サイズ | W4,000×H1,000mm |
| 解像度 | 1,024×128px |
| キャビネットサイズ | W1,000×H1,000mm |
| キャビネット数 | 4台 |
| 最大輝度 | 4,500nit |
| IP等級 | IP20 |
| 電源仕様 | AC100~240V |
| 再生・制御 | NovaStar TB20 Plus |
※上記は当該施工事例で実際に使用した製品仕様です。透過型LEDビジョン全般の標準仕様ではありません。
実際の施工事例から分かるガラス面設置のポイント
新宿区の施工では、製品仕様だけではなく、窓面特有の設置条件も確認しました。
道路側から窓枠の遮りを確認
設置場所が店舗2階だったため、道路側から見上げた際に窓枠が表示面を遮らないか確認しながら設置高さを調整しました。
本体を固定できる位置を確認
本案件では突っ張り式支柱を使用し、LEDビジョン本体を支柱へネジで固定しました。
表示位置だけでなく、本体の傾きや転倒にも配慮しています。
店舗内の配線を整理
既存の電源環境を利用し、LEDビジョンまでの電源線・信号線についても可能な範囲で隠蔽しました。
昼間・夜間で輝度を切り替え
本案件では機器上の設定値として、昼間100%、夜間20%となる時間帯別の輝度設定を行いました。
これは当該現場に合わせた設定であり、すべての設置場所に共通する基準ではありません。
詳しい施工方法や制御構成については、新宿区の透過型LEDビジョン施工実績をご覧ください。
透過型LEDではなく通常のLEDビジョンが適するケース
ガラス面へのLED設置でも、透過性を必要としない場合には通常の屋内用LEDビジョンを使用できます。
例えばLED-exでは、群馬県太田市の店舗ガラス面内側に屋内LEDビジョンを設置しています。

この事例では透過型ではなく通常の屋内用LEDビジョンを使用し、ガラス面の内側から道路側へ映像を表示する構成としました。
このように、
- 店内から外を見る必要がない
- 採光を残す必要がない
- ガラス面を表示スペースとして使用できる
- 通常LEDを設置できるスペースがある
といった場合には、透過型LEDだけに限定せず、通常のLEDビジョンも比較対象になります。
「ガラス面だから透過型」ではなく、その場所で透過性が必要かどうかを最初に確認することが重要です。
透過型LEDビジョンの見積もり前に確認したい情報
店舗や施設のガラス面への設置を検討している場合、次の情報があると製品・施工条件を整理しやすくなります。
- 設置予定場所の写真
- 窓ガラス全体が分かる写真
- 窓面のおおよその幅・高さ
- 窓枠の位置
- 店内側の設置スペース
- 道路・歩道など主な視認方向
- 主な視認距離
- 希望する表示サイズ
- 表示したい内容
- 昼間・夜間の使用予定
- 既存電源の位置
写真とおおよその寸法があれば、透過型LEDが適しているのか、通常のLEDビジョンも候補になるのかを含めて確認しやすくなります。
透過型LEDビジョン・シースルーLEDの設置をご検討の方へ
透過型LEDビジョンを選ぶ際は、透過率やピクセルピッチ、輝度などの製品仕様だけではなく、実際に設置するガラス面の条件まで確認する必要があります。
特に店舗窓面やショーウィンドウでは、
- どの程度透過性を残したいか
- どの方向から映像を見るか
- 窓枠に表示面が隠れないか
- 本体をどこで固定できるか
- 電源・配線をどのように処理するか
- 昼夜の明るさをどう管理するか
といった条件が製品選定や施工方法に関係します。
LED-exでは、透過型LEDビジョンを含むLEDビジョンの機材選定、販売、設置施工、制御機器の設定、操作説明、保守まで対応しています。
全国でのLEDビジョン施工やその他の施工事例については、LEDビジョンの施工・設置|全国対応もご覧ください。
設置予定場所の写真、ガラス面のサイズ、主な視認方向などをご用意いただければ、設置環境に合わせて構成を検討します。